コーポレートガバナンスの充実に向けて業がとるべき方策

コーポレートガバナンスの構築は、企業が持続的に発展していくための重要な課題とされている。あなたなりにコーポレートガバナンスを定義し、その充実に向けて企業がとるべき方策を論じなさい。

　コーポレートガバナンスに取り組む動きは、企業倒産や企業不祥事の多発などを背景に活発化している。コーポレートガバナンスの構築は、経営者や企業組織の独断的な暴走や違法行為をチェックし、ステークホルダーとの利害関係を円滑にし、企業が持続的に発展していくための重要な課題とされている。

　コーポレートガバナンスとは、「企業統治」などと訳され、「企業が誰のものであり企業がどのような活動を行っていくべきか」を指し示す考え方である。以上を踏まえ、コーポレートガバナンスの充実に向けて企業が取るべき主な方策を述べる。

　まず、経営の透明性、健全性、コンプライアンスの確保が重要である。それには外部委員会の設置、社外取締役、社外監査役の増員などでチェック機能を働かせること。また、企業倫理憲章や行動基準を策定し、経営トップから従業員にいたるまでコンプライアンス経営を徹底すること。内部統制システムを強化することが求められる。

　次に、多様なステークホルダーとの円滑な関係構築である。企業は多様なステークホルダーに対してコミュニケーションを取り相互理解を深めていくこと、意見を経営に反映させていくことが重要である。また、企業不祥事などの発生の未然防止や早期発見のための内部通報システムの環境整備が必要である。

　更に、ステークホルダーへのアカウンタビリティーも重要である。会計報告のみならず、経営理念や企業活動のあり方を説明していくことが求められる。また、経営者の責任や各管理者の責任を明確にすることも重要である。

以上のように、コーポレートガバナンスへの取組みは不祥事を未然に防ぎ、企業価値の向上を目指すために重要な取組みであると考える。