企業不祥事が相次ぐ中で、CSR(企業の社会的責任)がクローズアップされている。CSRとは何か、その期待される方向性について述べなさい。
CSRとは、企業が社会の一員として社会に対して果たすべき責任である。近年、食品偽装表示や製品事故をはじめとする企業不祥事の続発や、ISO2600による規格化の動き、SRI(社会的責任投資)の普及等、世界的CSRへの関心の高まりを背景に多くの企業がCSRの担当部署を設けるなど取組みを進めている。
CSRに期待される方向性は、主に、企業と社会の持続可能な発展を目指して、株主・投資家、消費者、従業員、取引先、地域社会など多様なステークホルダーと良好な関係を保ちながら、経済・環境・社会に対して積極的に貢献していくことである。(序論・275文字)
そこで具体的なCSRの活動を考えてみる。相次ぐ企業不祥事を受けて企業は消費者からの信頼を失いつつある。消費者の信頼を取り戻すためには、トップ自ら倫理観を向上させ、強いリーダーシップでコンプライアンス経営を社内に浸透させていく。そして社外に向けて迅速な情報開示と説明責任を果たすことが重要となる。また、ステークホルダーとの良好なコミュニケーションも不可欠だ。ステークホルダーに対して誠実に対話し、相互理解を深め、信頼関係を築くこと。また、対話を通して得た意見やニーズを商品・サービスの向上や経営に取り入れていく姿勢が大切だ。なお、企業グループとしての取組みのみならず、サプライチェーン全体に社会的責任を踏まえた行動を促すことが必要である。さらには環境問題や人権問題への関心の高まりを受けて、グローバルな視野をもってこれらの課題に対応することが求められる。(本論・375文字)
企業は、所得や雇用の創出など、経済社会の発展になくてはならない存在であると共に、社会や環境に与える影響が大きいことを認識し、CSRを率先して果たす必要がある。(結び・100文字)
コメントを投稿