消費者に対する啓発活動の推進と消費生活に関する教育の充実のために、行政の課題を述べよ。
消費者トラブルは多様化・複雑化しており、消費者が自ら考え主体的に行動できるようにするためには、消費者教育の果たすべき役割は大きい。消費者教育は、消費者が生涯を通じて継続的に学ぶものである。学校、地域、職場、家庭などにおいて、幅広い年齢層を対象に消費者教育を充実させる必要がある。しかし現状は「消費者教育を受けた」と認識している人は1割にすぎず、特に40歳代以上への教育が不足している。以上を踏まえ、消費者啓発・教育の充実のために行政の課題を述べたい。(序論・225文字)
学校教育による問題点としては、時間の確保、教員の知識差、教材不足、多様化する問題に対応できないなどがあげられる。そこで家庭科、社会科だけでなくすべての教育活動において消費者教育を行うよう学習指導要領を見直し、地方公共団体と連携し、資料やDVD、人材派遣等の提供がスムーズに行えるよう環境整備をする。また教員の講習機会を増やすことも必要である。
地域社会における問題点としては、教育を受ける機会が少ない、教材や情報不足、生涯教育の環境が不十分などがあげられる。そこで企業、地方公共団体、消費者団体等が連携し、企業内での消費者力検定やCS検定などの推進や、各種消費者トラブルに関する啓発教材等の作成や配布、ホームページの活用、公開講座や出前講座の実施、地域で参加できるクイズやロールプレイングなどを交えた体験型の消費者教育を充実させ、あらゆる年代が参加しやすいような消費者教育の場を作っていく必要がある。また、学校、地域社会での施策について実証的な調査研究を行い、消費者教育のより一層の充実を図ることが重要だ。(本論・475文字)
以上のように消費者教育を体系的に推進するにあたっては、行政が中心となって企業、消費者、NPO等の各主体間の連携・協力を支援するためのコーディネート機能を強化する仕組みづくりが必要である。(結び・100文字)
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