高齢者の消費者被害を防止するために、行政が取り組むべき施策を述べよ
わが国の65歳以上の人口は総人口の23%となり高齢者が進展し、高齢者の消費者問題も増加している。高齢者は一般的に、身体機能や判断力・理解力の低下、経済面の不安や孤独を抱え、さらに情報が不足しているため消費者問題が起こりやすくなっている。
高齢者の消費者問題の特徴は、誤使用・不注意などによる製品事故や、住宅内での転倒事故、悪質商法の被害、サービスの質や契約をめぐるトラブルなどがあり、トラブルを誰にも相談せずにいるケースも多い。以上を踏まえて行政が取り組むべき主な施策を述べたい。(序論・250文字)
まず事業者活動の適正化として、適合性の原則に基づく法律の整備や、改正特定商取引法、金融商品販売法等の事業者への徹底を行う。悪質業者の監視や行政処分の実施を積極的に行っていくことも重要である。また、高齢者の安全に配慮した製品規格基準の整備も必要だ。
次に消費者支援では、高齢者へ分かりやすく情報を提供するための環境整備が必要である。悪質商法の手口やクーリング・オフ制度の利用方法などパンフレット等を配布し、その際はイラストや文字を大きくし視覚化することも必要である。特に事故・危険情報は、消費者団体や企業と連携し、各メディアを使い迅速に確実に届けることが重要だ。また、判断能力が不十分な人を保護、支援する成年後見制度についても情報提供を強化し、普及を図るべきである。また、被害を早期発見するため、日常的に高齢者と接している介護ヘルパーや民生委員などと連携し、サポートの仕組みを強化することも必要である。そして被害の未然防止のための出前講座等を利用した参加型の消費者教育の充実や、被害の救済や二次被害防止のための消費者相談窓口の充実も重要である。(本論・475文字)
以上を踏まえて、消費者庁の舵取りのもと、地方公共団体や消費者団体、地域見守りネットワーク等、各主体間が連携・協力していくことが大切である。(75文字)
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